蒲公英（たんぽぽ）

タンポポと言えば

澁澤龍彦の『玩物草紙』を思い出します。

【　日本の原野に昔から自生したはずなのに、

花鳥風月的な情緒によって汚染されていない

ところがなによりいい　】

 

『　あの小さな白色の冠毛の或る種子をあつめた、

ふっと吹けばばらばらになって飛ぶ、

ほうけた毬のような球体であります。』

 

 

【　たんぽぽ花咲り三々五々、五々は黄に三々は白し記得す

去年此路よりす憐れみとる蒲公茎短して乳をアマセり　】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　蕪村

 

 

私も今はかぶっていた帽を取って、その二本の方を慾張（よくば）った。
　とはいえ、何となく胸に響 いた。響いたのは、形容でも何でもない。

川音がタタと鼓草（たんぽぽ）を打って花に日の光が動いたのである。

濃く香 （かぐわ）しい、その幾重（いくえ）の花葩（はなびら）の裡（うち）に、

幼児（おさなご）の姿は、二つながら吸われて消えた。
　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（泉鏡花『若菜のうち』）

コメント 6

タンポポはつかみどころのないところがいいです。
風にのってフワフワととんでゆくのもいいです。
きれいに撮れていますね。
by b.b.mk2 (2010-06-04 00:15) 

一風吹けば飛びそうな感じがします。
by charingo (2010-06-04 00:32) 

渋澤作品はほぼ読破しております！

　　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-06-04 01:14) 

☆　b.b.mk2さん！
　いつも有難うございます。
　『　ふ～～！』と吹くといっぺんに飛んでいきますね！
　地面に葉が這いつくばって、種が気持ちよく飛んでいく
そんなたんぽぽはいいですね！
by teddy0905 (2010-06-04 21:04) 

☆　charingoさん！
　風が吹くとみんな飛んでいってしまいます！
花が人任せ、自然に頼ることも勉強になります！！
by teddy0905 (2010-06-04 21:06) 

☆　ルコさん！
　恐れ入ります！
　多くの発想から『みなぎる力』を日々感じています。
　これからも楽しみです！！
by teddy0905 (2010-06-04 21:07)